INTERVIEW

2025.9.16
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2025/9/16
俳優・ミュージシャンの古舘佑太郎さんは、2024年にバンドを解散。そんな時、先輩であるサカナクションの山口一郎さんに「カトマンズに行け!」と背中を押されたことをきっかけに、ネパールのカトマンズを目指し2か月間のアジア旅行へ出かけました。もともと旅が好きではない古舘さんにとって、それは苦行にも思える一人旅。その体験を、著書『カトマンズに飛ばされて』に綴っています。今回は、古舘さんに当時を振り返ってもらい、印象的な風景や食事、持って行ってよかったものなど旅の思い出をお聞きしました。

ふるたち・ゆうたろう/ミュージシャン、俳優。2010年、バンド「The SALOVERS」のボーカル・ギターとしてメジャーデビュー。その後活動休止やソロ活動を経て、新たなバンド「2」「THE2」などで活動。2024年にバンドを解散し、カトマンズを目指して旅に出る。現在は、音楽活動のほか俳優としても活動。NHK連続テレビ小説『ひよっこ』や、大河ドラマ『光る君へ』に出演し注目を集める。
Instagram:@yutaro_furutachi
著書:カトマンズに飛ばされて 旅嫌いな僕のアジア10カ国激闘日記

自身を「神経質で潔癖症」と語る旅嫌いの古舘佑太郎さんが、アジアの国々を巡る2か月間の一人旅へ。過酷な旅路の中で出会いと発見を重ね、自分と向き合う日々を綴った実録記。(幻冬舎)
やっぱり「一人旅なんて、もうこりごりだ」という気持ちは強く、旅が好きになったとは決して言えません。しかし、「旅は自分の人生とは無縁」というこれまでの考え方はだいぶ薄れてきました。それは旅が持つ美しさや儚さ、ロマンを知れたから。時が経てば経つほど、ふと思い出す旅の思い出が色鮮やかになっていくので、旅に出てよかったと今では考えています。そして、旅に出る人に対してリスペクトを抱くようになりました。
インド北部・レーは、標高3500mを超える山岳地帯にあり、雪が被った山脈が360度をぐるっと取り囲んでいました。その岩肌にしがみつくように集落が連なっていて、その光景はまさしく月面世界のよう。日本で暮らしていたら、絶対に見ることができない光景で、今でもそこで過ごした三日間は特別な思い出になっています。




カトマンズで食べた伝統料理ダルバート。最初から「どうせ辿り着けないだろう」と思いながら始めた旅は、過呼吸や蕁麻疹に悩まされながらの毎日でした。それでも歩みを止めず、ついにカトマンズに到着した時には、自分でも驚くほどの感動が込み上げました。そこで味わったダルバートは、さらりとしたスパイシーなカレーで格別のおいしさ。達成感とともに食べたその一皿は、今でも忘れられません。しかも、その時はスプーンではなく、現地の人と同じように素手で食べることに挑戦。恐る恐るでしたが、手でぐちゃぐちゃに混ぜて口に運ぶと、驚くほどおいしく感じられました。


正直「また行きたい」と思える場所はないのですが、強いて挙げるならインドのオーロヴィルです。世界中からミュージシャンや写真家などが集まる街で、現地でその情報を知って立ち寄ろうとしましたが、結局行けずに終わってしまいました。
自分がひ弱で情けないことは自覚していたので、「思いついた物はすべて持っていく」というスタンスで準備しました。旅の有識者に相談して勧められたものを片っ端から詰め込み、薬もあらゆる病気を想定して何種類も持参。けれど実際には使わないものが多く、荷物はとても重くなってしまいました。この経験以来、荷物は最小限にし、現地で調達できるものは現地で買うスタイルになりました。
バックパッカーは、荷物をいかにコンパクトにまとめるかが鍵。衣類の圧縮袋は、とにかく便利でした。共同宿で出会ったフランスの女の子が、衣類の圧縮袋を使って荷作りしていた様子を見て驚きながら「なんて便利なの!」と褒めてくれたんです。嬉しくなって貴重な一枚をプレゼントしたら、とても喜んでくれました。
苦手意識がまったくなくなったわけではありませんが、だいぶ偏見はなくなりました。現地に行って気づいたのは、人は「知らない」というだけで、怖い・危ないと考えてしまいやすいということ。「百聞は一見にしかず」という言葉は本当にその通りで、人気の観光地でも自分にはピンと来なかったり、逆に評判の良くない場所でも意外と楽しくて安全だったりすることもあります。結局のところ、自分で体験してみないとわからないのだと思っています。
自己肯定感が低かった僕ですが、旅の間一人きりで自己対話を重ねたことで、少しずつ自分を受け入れられるようになりました。以前は「自分を変えたい」「新しい自分になりたい」と考えていましたが、今はそうではありません。「嫌なところやダメな部分も含めて、自分くらいは好きになってあげよう」と思えるようになったのです。さらに「なんとかなる」という精神も身につきました。これまでは計画通りに神経質にきっちり生きることが正義だと思っていましたが、今はイレギュラーな出来事やハプニングさえも楽しむことが大切だと考えています。
本当に行くかどうかはわかりませんが、小さい頃からモンゴルには強い興味があります。音楽を作り始めた頃も、なぜか脳裏にはいつもモンゴルのイメージが浮かんでいました。その理由は自分でもはっきりとはわかりません。ただ、いつか行けたらいいなと少しだけ思っています。
たとえ同じルートを辿っても、旅の景色は人によってまったく違って見えるのがおもしろさだと思います。実際に僕と同じ道を旅した友人がいたのですが、帰国後に話を聞いてみると、感想が僕とは全然違っていて驚きました。そう考えると、今回の旅はやはり「僕だけの旅」だったんだと感じます。
サンダルは共同宿で欠かせないものでした。僕は日本から持って行かず現地調達したのですが、すぐ壊れるし高い……。その点、このサンダルは値段もお手頃でしかも持ち運びがしやすそう。そして疲れも軽減してくれるなんて、最高です。

リカバリーサンダル
BACKYARD FAMILY
¥2,488

これは本当に便利。他の国の旅人で使っている人を見かけなかったので、もしかしたら日本が誇る旅行グッズなのかもしれません。いくつかのサイズを用意することをおすすめします。

【POST GENERAL 】TRAVEL VACUUM PACK BWH S -PACK2-
OUTDOOR BASE MATSUMOTO
¥693

とにかく日差しがとんでもない南アジア。特に日中は、強烈な日差しが降り注ぎます。冷感のアームカバーをつけていると日除けにもなるし、若干涼しい。インドでバイク事故を起こし、足を捻挫した時に即席のギプスにもなり助かりました。


KiU アームカバー
protocol
¥2,750

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