INTERVIEW

2026.5.19
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2026/5/19
誰にでもある、「好きなもの」。それは私たちの喜び、楽しみ、癒やし、原動力となり、時には人と人とを繋いでくれることも。そんな、人それぞれが持っている「好きなもの」について、お話をお聞きします。今回ご登場いただくのは、アートディレクターのオカモト ヒロヤさん。Netflixリアリティシリーズ「ボーイフレンド」シーズン2へ参加し、注目を集めたヒロヤさん。空間、アート、デザインなど幅広い分野で活動するなかで、花や植物は、自身の表現にインスピレーションを与えてくれる大切な存在だといいます。作品づくりだけでなく日々の暮らしのなかにも植物を取り入れ、季節の移ろいや空気の変化を感じながら過ごしているそう。植物に惹かれる理由や、最近気になっているアイテム、花のある暮らしを楽しむためのヒントも教えていただきました。

アートディレクター、デザイナー、建築家。1995年北海道生まれ。安藤忠雄建築研究所のインターンとロンドン留学を経て、北海道大学建築計画学研究室を卒業。オンデーズで国内外の店舗設計に携わり、その後チームラボにてアートプロジェクトに参画。2026年、Netflixリアリティシリーズ「ボーイフレンド」シーズン2に出演。現在は東京を拠点に独立し、空間からグラフィック、プロダクト、写真まで横断的に制作を手がける。PAY IDで、アートワークを販売するオンラインショップを展開している。
Instagram:@hiroya_fm
オンラインショップ:IIIII

好きだと意識するようになったのは、東京で暮らし始めてからです。北海道にいた頃は、自然が好きだとあえて考えたことはありませんでした。しかし東京に来て初めて、育った環境の豊かさに気づきました。北海道出身の僕にとって、都会での暮らしは少し息苦しく感じることもあるんです。だからこそ、自分の部屋だけは深呼吸できる場所にしたい、自然を感じられる空間にしたいと思うようになりました。最初は小さな観葉植物から始まり、今では切り花を買うことも日常を整える大切な習慣になっています。

友人の家で見かけて以来、ずっと欲しいと思っていました。そんな話をしていたら、誕生日にプレゼントしてくれたんです。葉に入った水玉のような白い斑点がとてもグラフィカルで、インテリアとしての存在感が抜群なところが気に入っています。美しさはもちろんですが、生命力が非常に強く、どんどん新しい葉が出てくる成長の早さも魅力。伸びた枝を切って、また新しい鉢を増やせそうなくらい元気に育ってくれています。

写真の右側の花瓶です。雑貨店で出会い、一目惚れして購入しました。スペイン・バレンシアのリサイクルガラスを100%使用した、少し青みがかった色味と有機的なフォルムが魅力。ガラスの揺らぎが植物の自然な姿を引き立て、どんな花にも合う使い勝手の良い花瓶です。

自宅の3Dプリンターで制作したオリジナル作品です。デジタルファブリケーションによる緻密な幾何学造形と、そこに活けられる植物という有機的な要素が融合する瞬間を大切にしています。アイデアが浮かんだら、すぐに出力して形にできる今の制作スタイルが反映されています。

ひとつは、都市にいながら気軽に自然と接続できることです。今では部屋の植物は20種類以上になり、自然とリラックスできる空間になっています。もうひとつは、言葉にできない感情の媒介になってくれること。花を自分で買って飾るのも好きですが、誰かに贈るという行為も同じくらい大切にしています。本能的に誰もが美しいと感じる花は、自分の内側にある不完全な想いをそっと届けてくれるように思います。例えばプロポーズでバラの花束を贈るのは、言葉では表現しきれない感情を花に託しているからだと思います。そうした「感情を乗せる役割」に注目し、先日「HANAKOTOBA」という個展で作品を制作しました。花は、人の心を静かに代弁してくれる存在だと感じています。
花は季節のものなので、そのとき目に入ったものや出会い、直感を大切にしています。花屋さんに足を運ぶと、その時期ならではの季節感やトレンドを肌で感じられるのも楽しいですね。知らない花に出会うことも学びのひとつで、そうした新しい発見も花選びのおもしろさだと思っています。
花瓶は、色や形、価格をじっくり吟味して選びます。部屋の空間に馴染むよう、青をベースに考えることが多いです。陶芸作家やガラス作家の作品を見るのも好きで、制作方法やアイデアにクリエイターとして驚かされることも。そうしたクリエイティビティに触れると、思わず手元に置きたくなります。
正直に言うと、そこまで強いこだわりはありません。ただ、朝起きて「今日は光がきれいに入っているな」と感じたら、その明るさに合わせてインテリアや植物の位置を少し動かすことも多いです。花のプロではないからこそ、偶然が生み出す瞬間の美しさを楽しみたい。そのためには、心に余白や余裕が必要だと感じています。花を飾るという行為は、いまの自分にその余裕があるかを確かめる、自分と向き合うためのツールなのかもしれません。心に余裕がなくなると、花を買うことを忘れていたり、部屋が少し散らかっていたりする。そんな変化にも気づかせてくれます。
特に印象に残っているのは、会社員を辞めてフリーランスとして独立する際、送別会で同僚からもらった花束です。そのときに感じた「祝福」のエネルギーが、空間を一瞬で華やかに変える力を持っていることを再認識しました。また、個展を開催した際にも多くの方が花束を贈ってくださいました。自分が花好きだと知ったうえで、それぞれの想いを込めて選んでくださったことに、強く心を動かされました。会期中は花瓶が足りなくなるほどで、「このまま花屋が開けるのでは」と思うくらいの量に囲まれていました(笑)。部屋中に広がる香りと、そこに込められた気持ちに触れ、花が持つ「想いを伝える力」を改めて実感した出来事でした。
有機的な形や人間味、温かみといった要素に触れられることが、花と植物の魅力だと感じています。デザインでもそうした表現を追求していますが、人の意図が介在する以上、自然には敵いません。だからこそ、そのあり方をどこまで取り込めるかが、自分にとっての課題でもあります。どんなに緻密に設計された空間でも、そこに花があるだけで張り詰めた空気がふっと緩む。設計者として「コントロールする美」を追求する一方で、植物の持つ「コントロールできない生命力」には、理屈抜きで惹かれます。
「枯らしてしまうかもしれない」、「お手入れが難しそう」と二の足を踏む人も多いと思いますが、まずは触れてみること。やってみることで、植物との心地よい距離感がわかってくると思います。僕自身はあまり構えすぎず、少しスパルタなくらいで付き合ってきましたが、そのぶん植物もタフに育ってくれている気がします。

アロカシア系は葉の形がとても魅力的です。種類も豊富で、コレクションする楽しさがありそうですよね。新しく部屋に取り入れてみようかと興味が湧いている、今気になっている植物です。
アイギス(イージス) アロカシア 観葉植物 6号
観葉植物と雑貨のお店 VIVAGREEN
¥3,800


枝がスッと生けられた画像に惹き込まれました。この花瓶を使って、存在感のある大きな枝物を部屋に置いてみたい、そんな想像を掻き立てられる逸品です。
sk22 鶴首 瀬沼健太郎 Glass vase by Kentarou Senuma
Gallery HANNA shopping
¥66,000


こちらは古着のショップで見つけました。古着店はセンスのいいアンティーク家具を扱っていることも多く、信頼している場所のひとつです。ミッドセンチュリーの花瓶には一点ものならではの魅力がありますよね。これは一見金属のような光沢があり、不思議な質感と模様に惹かれました。こうした独創的な質感のアイテムは、空間に奥行きを与えてくれると思います。
"Mtarfa Glassblowers" flower vase
arlington heights
¥8,250


こちらの作家さんの作品は、東京蚤の市で偶然知りました。カラーリングがとても素敵で、さらりとした質感も印象的です。
9 斉藤ダイスケ Daisuke Saito 徳利(花器)Sake bottle (Flower vase)
Gallery HANNA shopping
¥5,500

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