VINTAGE

2025.2.11

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  • 2025/2/11

    「ヴィンテージには歴史と文化が詰まっている」 VCM inc.代表・十倍直昭さんが語る古着の楽しみ方【後編】

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    Pay IDがグランドスポンサーとして協賛する「VCM VINTAGE MARKET」は、日本最大級のヴィンテージの祭典。4月にはvol.6を開催予定です。回を重ねるごとに来場者が増え、今や全国の古着好き一万人以上が集まる一大イベントとなっています。そんな「VCM VINTAGE MARKET」を主催するVCM inc.の十倍直昭さんにインタビュー。後編となる今回は、古着が好きになったきっかけや、お気に入りのアイテムを教えていただきました。

    十倍直昭さん

    とべ・なおあき/VCM inc.代表取締役。2008年にセレクトヴィンテージショップ「グリモワール(Grimoire)」をオープンしたのち、2021年にはヴィンテージ総合プラットフォーム VCMを立ち上げ、日本最大級のヴィンテージの祭典「VCM VINTAGE MARKET」を主催している。また、渋谷パルコにて、マーケット型ショップの「VCM MARKET BOOTH」やエルメスジュエリーを専門に取り扱う、予約制ショップ「VCM COLLECTION STORE」、イベントスペース「VCM GALLEY」を運営。
    2023年10月には初の書籍「Vintage Collectables by VCM」を刊行するなど、ヴィンテージを軸とした様々な分野で活動し、全国のヴィンテージショップとファンを繋げる場の提供や情報発信を行っている。
    Instagram :@naoaki_tobe

    海外の文化への憧れ

    古着が好きになったきっかけはなんですか?

    学生時代から、映画や音楽など海外のカルチャーにとても興味がありました。その頃は今ほど古着店の数は多くなかったんですが、群馬県伊勢崎市のある古着屋さんに行く機会がありました。全てアメリカの家具で統一された空間に洋服がずらっと並んでいるのを見て、あまりのかっこよさに衝撃を受けたんです。将来は海外を行き来するような仕事がしたいと思ったきっかけのひとつでした。その後の進路は、ファッション業界に行くか美容業界に行くか悩みましたが、ヘアスタイルでファッションを表現したいと思い、美容師の道に進みました。

    ― 美容師を経て、ヴィンテージ業界に入ったのですね。

    はい。ずっと海外への憧れはあったので、美容師として働きながらお金が貯まったら休みを取って旅に出るという生活をしていました。バックパッカーとしてアジア、ヨーロッパ、アメリカなどを旅しながら、各地のフリーマーケットも訪問。世界中でいろんな経験をしたなと思えた27歳のとき、今度は自分で店をつくってみようとヴィンテージショップ「Grimoire」を立ち上げました。この頃は年間の半分ほどは海外に買い付けに行っていたので、学生時代に夢みた海外を行き来するという夢は叶っていると思います。

    古着のどんなところに魅了されたのですか?

    ファッションを通じて文化や歴史を伝えられるところです。失われつつある文化を、洋服やアクセサリーから感じてもらえる。例えばミリタリーアイテムだったら、これはいつどこの戦争で使われていたもので、こんな機能性があるとか色や装飾の意味などもきちんと伝えています。その服が持つ背景を知ることで、もっと愛着が湧くと思うんです。

    ヴィンテージは人を豊かにしてくれる

    ここ数年の古着ブームについてどう感じられていますか?

    これはブームという一過性のものではないと思いますし、これから古着の価値はもっともっと上がっていくと思います。日本では90年代に古着の一大ブームがありました。アメリカの古いデニムやTシャツなどに可能性を見出した当時の日本のバイヤー達は、現地で安く仕入れ、補修し、きれいにアイロンをかけ、おしゃれなお店にディスプレイすることで価値を高めていったんです。そうやって日本で熟成した古着文化が、SNSの普及とともに海外でも「古い服に価値があるらしい」と広まってきたんです。2019年頃になると、どんどん古着の価値が上がっていって、90年代には数十万円ほどだった服が、今では1000万、2000万という驚くような値段がついているものもあります。このムーブメントは、ベトナムやタイなどアジアでも起こっています。

    ― 古着の人気は世界にも広がっているんですね。

    世界的な時流であるSDGsやリサイクルカルチャーの影響もあると思います。古き良き洋服を長く大切に着ることは、時流にもマッチしたのではないでしょうか。やはり、古着はブームというよりも多くの人が「価値に気づいた」という表現が正しいかもしれません。

    なぜ多くの人がその魅力に気づいたと思いますか?

    今や、洋服のデザインはある程度出尽くしてしまっています。だからその原型やオリジナルである古着は、価値を失わないですよね。情報が手に入れやすくなったため服にある背景が見えやすくなり、それに興味を持つ人が増えました。自分が着る前は、どこの誰が着ていたというストーリーにロマンを感じるという楽しみ方ができたんです。

    たしかに、服の歴史を知るのはおもしろいですね。

    そうなんです。他にも服から文化を知るというパターンも、僕はよく目にします。「このTシャツかわいい」と手に取ったものが、バンドTだったとか、映画のものだったとか。Tシャツから入ってその音楽を聴いたり、映画を観たりしてファンになったという声も聞きます。そういう楽しみ方を聞くと、ヴィンテージは人を豊かにしてくれるものだと改めて実感します。

    素敵なファッションの楽しみ方です。

    もうひとつ、古着は誰にでも似合うものがあるとことも大きいでしょう。体型も関係ありませんし、年齢を重ねてもずっと楽しめるファッション。環境に優しいうえに自分自身も肯定してくれるものだからこそ、多くの人から支持されているんだと思います。

    ファッションをもっと楽しむために

    古着をうまく着こなすコツを教えてください。

    ラグジュアリーとヴィンテージの組み合わせをおすすめします。「ハイブランドのバッグは、古着には合わないですか?」と聞かれることもよくあるのですが、ぜひミックスしてください。10代の頃、海外のスナップを見るのがとても好きでした。ロンドンのおばあちゃんがプラダのバッグにカレッジスウェットを着て、とても大きなメガネをかけているスタイリングを見て「ファッションは自由だな」と実感したんです。自由だからこそ、めちゃくちゃかっこいい。高級感があるもののアクセントとして、古着を使ってみてください。

    十倍さんのお気に入りのアイテムを教えてください。

    1960年代のリーバイス501

    たくさんありますが、2年ほど前に買った60年代のリーバイス501のデニムです。通称「鬼ひげ」と呼ばれる色落ちがとても気に入っています。普通に履いても絶対こんな色落ちにはならないんですよ。おそらく作業着として着ていたからこその、加工では絶対に出すことのできない風合いです。その一つひとつのダメージなどが、その当時着ていた異国の地の人たちの生活を思い起こさせてくれます。「僕はヴィンテージのこういうところに魅せられたんだ」と改めて思わせてくれるような、魅力を体現している一着です。

    Road to VCM presented by Pay IDについて

    「Pay ID」は、最大2ショップに「VCM VINTAGE MARKET vol.6」のブースを無料提供する選考会「Road to VCM Presented by Pay ID」を実施します。

    この機会にぜひ、ご応募ください。

    <ショップオーナー向けのご案内>
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